高熱伝導性絶縁性/導電性複合材料

電子機器の小型化・高機能化に伴い、半導体素子から効率的に熱を逃がす放熱部品が求められています。当社は、軽量で高い放熱性能を持ちながら絶縁性と導電性を発揮できる、2つの高分子複合材料を開発しました。
この新しい高分子複合材料と一体成形させることで、電子デバイスのパッケージ化が可能です。従来の金属・セラミックス製放熱部品と比較すると、樹脂を用いることで熱伝導率の制御や、絶縁性材料と導電性材料との一体成形が可能となります。銅箔の剥離や脱落、異なる材料間の熱抵抗も小さくでき、熱放射率や熱サイクル性も高まります。さらにボルトや接着剤、グリースなどの異なる材料を多く使用する従来品よりも、部品点数や工数を大幅に削減できます。
パワーデバイスや高性能LED照明機器などの、軽量化と高い放熱性能を要求される分野での技術展開を志向しています。

樹脂は軽量で加工性がよいものの熱伝導性が低く、そのままでは放熱部品には使えません。樹脂のよさを生かしつつ、熱伝導性を高めることが必要でした。そこで当社は、フィラーの充填方法に注目。実験を繰り返し、樹脂のメリットとフィラーのメリットを同時に発揮させることに成功したのです。
使用したフィラーは絶縁性の高いセラミックスと、導電性の高いグラファイト。それぞれを樹脂に充填することで、高い熱伝導性を持たせます。しかも、フィラーの充填率を変えることで熱膨張係数を制御できます。樹脂の特性が生かせるため、従来の放熱部品よりも成形性がよく、軽量です。設計の自由度を高いので、複雑形状のニーズにも応えられます。仕様・用途に合わせて、最適なコスト・品質を提案可能です。
当社は、この新規複合材料と成形技術を基にして、お客様が実現したい製品を、試作から量産まで共同開発いたします。